グーグル Google 既存のビジネスを破壊する

KojiH2006-05-23

佐々木俊尚著「グーグル Google 既存のビジネスを破壊する」を読んだ。今までGoogleに関するテクノロジーの素晴らしさや、ロングテールでの中小企業復活・活躍、新たなマーケットの創出等の面ばかりにスポットライトが当てられていたが、この本ではGoogleが持とうとしている/すでに持っているネット社会での強力な権力に関して詳しく書かれており、非常に興味の有る内容で有った。
本書の中で印象に残ったのは

グーグルは、強力な広告ビジネスを背景に、古い世界の秩序を壊し、伝統的な企業のビジネスを破壊しようとしている。
グーグルは、ロングテールによって中小企業を再生させ、新たな市場を創出しようとしている。
グーグルは、人々の情報発信を手助けし、企業や政府などの強大な権力と同じ土俵に上がらせようとしている。
しかしその一方で、グーグルはそれら新しい秩序の中で、全てをつかさどる強大な「司祭」になろうとしている。それは新たな権力の登場であり、グーグルに全ての人々はひれ伏さなければならなくなるかもしれない。

と言う部分である。確かにグーグルがこれだけのシェアを持ち、グーグルのサーチエンジンに掛からなくなれば、ネット社会に存在しない事に等しくなってしまうし、人々の個人情報を無料サービスを背景に獲得し、情報をコントロールして配信も可能である。ではどうしたら良いのだろうか?本書ではその部分に関しては何も書かれていないが、ネット文化で生きている我々が考えて行かなければならないのだろう。